縦スクロール漫画を描くために準備したこと・必要なもの

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ここ2年くらい、趣味で縦スクロール漫画を描いていました。

そこで

  • 描くときに便利だったもの
  • 縦スクロール漫画の利点、大変なところ

……などをまとめていきたいと思います。

というか、あくまで素人が趣味で描いてた情報を書き殴っていくだけです。

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縦スクロール漫画とは

縦スクロール漫画とは、昔ながらの横読みの漫画とは違い、スマホやスマホでスクロールしながら縦読みできる漫画です。

英語圏なら『Webtoon』、中国圏なら『快看』をよくみていました。

日本なら

  • comico
  • LINEマンガ

が有名かと思います。

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縦スクロール漫画の特徴

【特徴1】基本はフルカラー

カラー

縦スクロール漫画はフルカラー作品がほとんどです。

たまに配色表現の一つとして、モノクロの作品もちらほら見かけます。

【特徴2】視点(コマ)の流れは上から下

特徴としては、横読み漫画のコマは下から上に視線誘導できますが、

縦スクロール漫画は基本的に上から下にしか誘導できません

こういうギザギザに下りていくのは可能。

【特徴3】コマ数や長さは決まってないみたい

長さやコマ数などは決まってないようで、作品によって一話ごとの長さがけっこう違うみたいです。

【特徴4】背景はCG?

すべての作品ではないですが、背景は3DCGで制作されているのものを多く見受けられます。

 

縦スクロール漫画を描くにあたって準備したもの・あると便利だったもの

縦スクロール漫画を描くにあたって準備したもの・使うと便利だったものを紹介します。

①クリスタの縦スクロール漫画の機能

クリスタでの縦スクロール漫画制作風景

縦スクロール漫画を描くにあたって便利だったのが、

CLIP STUDIO PAINT EX

……の中に含まれる、縦スクロール漫画制作機能です。

 

CLIP STUDIO PAINT EXには縦スクロール漫画を制作するための便利な機能があるのですが、これがかなり重宝しました。

 

たとえば、次のような機能です。

↓縦スクロール漫画用のキャンバスをクリック一つで作成できる機能

縦スクロール漫画キャンバス作成

 

↓ページ管理画面で【縦一覧表示】に設定すると、作品全体図が見やすくなる機能

縦スクロール漫画の全体表示

 

↓スマホ画面での見え方がわかるように、スマホ画面比率でのプレビューできる機能

……など。

 

▼くわしくは、こちらの記事にまとめています。

クリップスタジオEXの縦スクロール漫画制作機能が便利すぎる
イラストソフトCLIP STUDIO PAINT EXの縦スクロール漫画制作機能の便利なところをまとめていきます。 縦スクロール漫画用の機能が追加 かなり前ですが、CLIP STUDIO PAINT EXに縦スクロール漫画(Webtoon)...

(また、セルシス公式HPのWebtoon制作のための便利な機能にも記載されています。)

 

使っていない状態ではよくわからないかもしれませんが、これらの機能は非常に縦スクロール漫画を描く手助けをしてくれます。

ただ「便利」というだけでなく、日本人にとっては敷居が高いかもしれない、縦スクロール漫画を描く敷居を下げてくれた機能、といってもいいかもしれません。笑

>>CLIP STUDIO PAINT EX

 

②3Dソフト

3DCG

2つ目は、背景を制作するための3Dソフト。

Sketch Upという建築系のソフト(サービス)が便利です。

こちらのソフトは商用利用しない範囲なら無料、商用利用する場合は有料になります。

 

CLIP STUDIO PAINTにも3Dの機能や素材がありますが、私のPCではちょっと重かったのと操作に慣れなかったので、部分的にしか使用していませんでした。

Sketch Upは建築系のソフトだからか、BlenderやLaight Waveなどの一般的な3Dソフトと比べても、直感的に操作・制作することができます。

初めて触る人でも、建物の高さや面積などの数値とか、細かいところや専門的なことは完全無視して、見た目だけそれっぽくなればいいのなら、

一日〜数日くらい勉強すれば、簡単な家や建物くらいは作れるようになります。

↓実際に作ったもの

sketchup 背景

オーバーレイなどで加工すると良い感じになります。

sketchup 背景加工処理済み

また、線画だけの処理も可能です。

youtubeで英語で検索をかけると、Sketch upを使った背景処理のメイキング動画が出てきます。

曲線のモデルを作るのはちょっと慣れが必要で、未だ四苦八苦しています。

>>Sketch Up

 

③3Dの素材屋

とはいえ、「家」くらいならともかく、小物類などを含めて背景を1から作るのは面倒です。

そういうときに、3Dの素材屋さんを活用する方法があります。

今は無料の3D素材配布サイトがありますし、Sketch Up上でも大量にモデル素材が配布されています。

ただ商用利用したい場合だとけっこう微妙なラインですし、禁止している方もみられるので、商用利用したい人は有料の素材配布サイトをメインで使うのがいいでしょう。

素材配布サービスについてはあまり詳しくはないのですが、Sketch Up用にファイル形式を合わせたりするのが面倒なので、ACONというサービスを少しだけ利用させていただいていました。

ここはWebtoon用の背景屋さんなので、基本的にSketch Upのファイル形式があります。椅子やテーブルなどは、無料で配布しているモデルもありますし、セールだと子供のお小遣いレベルまで安くなっていたりもするので、課金するかどうかにかかわらず一度覗いてみるのも悪くはないと思います。

もっとオリジナリティのある独創的な自分だけのモデルが欲しい場合はむずかしいです。

BOOTHやクラウドソーシングなどで3Dの依頼を受け付けている方もいるようなので、そういう方に個人的に依頼するのがいいかと思います。そこまで深くはやっていないので、わかりませんが……。

 

描く描く描く

あとは描く描く描く。

ここはすっとばします。

 

3Dで背景をつくりたい人なら、最初にある程度つくっておくと便利かと思います。

ただ1から作るのは楽しい反面、大変です。

準備に必死で、いつまで経っても漫画を描く段階に至らない……ということになってしまう可能性があります。というか、なりました。

なので、[家]とか[学校]とか[会社]とか、のちのち使いまわしができそうな感じな世界観にするとか、あえて[家]なら[家]だけで完結するような作品にするとか、……最初からネームを工夫すると、背景を用意する手間を多少は省くことができます。

個人的な趣味の範囲で描くのを楽しむだけなら、最初は背景にこだわらずにネットで配布されているの無料のモデルを使うのがいいかもしれません。

縦スクロール漫画の大変だったところ4つ

そんなわけで個人的に縦スク漫画を描いて遊んでいた自分ですが、大変だったことは次の4つでした。

【大変①】最初は、コマのサイズに迷う

とにかくコマのサイズに迷いました。

縦の長さと横の長さをどのくらいにすればいいのかわからないのです。

一応、クリスタでスマホ画面に合わせて画面を調整する機能はあるのですが、それでも実際にスマホで読むとコマが大きすぎたことがあったりしました。

あとは、コマのサイズはよくても、コマに占めるキャラクターの顔が大きすぎたり。

コマの大きさや配置は、テンポに影響するので、一番時間をかけて大変だったところかもしれません。

勘のいい人は、なんとかなるのだろうか。

【大変②】コマ割りにも迷う

それからコマ割り

横読み漫画のコマ割りをそのまま持ってきていいのかわからず、やたらと細かく割ってテンポが悪くなったり、省略しすぎて、後からコマを足すことになったりしました。

【大変③】カラーが描けない

カラー塗りも、最初はかなり大変でした。

当たり前ですが、服の色、陰影の色などぜんぶ決めることが必要ですし、描いているうちはその設計図通りに塗ることを50コマ、100コマ繰り返す。

果てしなく気の遠くなるような作業でした。

ただ最初のうちは「モノクロならもっと短縮できるのに」と思いながら描いていましたが、慣れてくると楽しくなり、モノクロで描くのが億劫になるほどでした。

【大変④】人物が背景にまったく溶け込まない

背景を3Dにしようとしても、いざやってみると背景が人物にまったく溶け込まないことがあったりもしました。

「簡単だから3Dにしよう」というよりは、もともとの絵柄や作品の世界観に合わせるのが一番の優先事項にしないと、

背景がえげつなく浮いたり、作品の世界観とミスマッチしてしまいます。

 

縦スクロール漫画のよいところ、好きなところ

タブレットとタッチペンそんなわけで大変なところもあった縦スクロール漫画ですが、意外と良いというか、省略できる部分もあることに気づきました。

たとえば

  1. カラーだと、モノクロで描くより省略できる部分も多い
  2. 『ページ』という概念がないので、ページを気にしなくていい
  3. コマが上から下にしか配置できないので、横読み漫画よりはコマ割りに頭を悩ませる必要はない(?)

ところ。

3つ目に関してはちょっと微妙な線ですが。

 

【良い点①】カラーだと(モノクロで描くより)省略できる部分もある

まず一つ目は、カラー描画について。

敷居の高そうなカラー描画ですが、じっさいにやってみると意外にもカラーだからこそ省略できる部分があることに気づきました。

たとえば、トマトを白黒で描くのと、カラーで描くのだったら圧倒的にカラーのほうが描きやすく伝わりやすいですよね。

それと同様に、モノクロで置き換えないでいいぶん描写もしやすく、

そもそもカラーという時点でモノクロより情報量が多いため、モノクロで描写するより絵が(第三者に)容易に伝わりやすいです。

絵がそれほど上手くない人であればあるほど、カラーのほうが簡単なんじゃないかな、と思います。

 

あとこれは個人的な感想ですが、モノクロで描くよりもカラーで描いたときのほうが「描けた」という達成感みたいなものがあって楽しかったです。

 

【良い点②】『ページ』という概念がない

二つ目は、縦スクロール漫画には『ページ』というくくりがないので、「○○ページに収めなきゃいけない」という縛りがありません。

コマ数もとくに決まりはないようで、数えたところ、一話50コマ~70コマあたりが一般的なようですが、毎回100コマ超えている作品もふつうにあったりしました。

同じ作品でも、話数によって20コマ以上幅があったりします。

……このように相当自由なようなので、ページは悩まなくていいですし、横読みに比べるとコマ数にもそこまで悩むことはないように思います。

 

【良い点③】横読み漫画よりはコマ割りに頭を悩ませる必要はない(?)

そしてコマ割りに関しても、横読み漫画ほど悩む必要はないように思います。

これに関してはまだ必ずしも「そうだ」とは言いきれない部分もありますが、基本的に上から下にしか読めないぶん、良い意味で自由度がなく、素人には(横読み漫画より)コマ割りしやすいような気がします。

どこかの記事で「縦スク漫画は上から下にしか読めないから、コマ割りが単調」という指摘をされているのを見かけた記憶がありますが、これがその通りだとするならば、日本式漫画をうまく描けない側からするとむしろ利点なんじゃないかと思います。

 

モノクロが苦手な人は向いてる

以上のことから、

  • もともとモノクロで描くのが苦手な人
  • 決まったページ内に収めるのが苦手な人

……などは、縦スク漫画のほうが描きやすく感じると思います。

 

がっつり描くとなると、共同作業

とはいえ、私は描くのが遅いので、がっつりとしたクオリティのものを制作しようとすると、やはり一人では相当大変なんじゃないかと思いました。

漫画というと、一人でも描けそうなイメージがありますが、海外の縦スクロール漫画は基本的には共同作業のようです。

海外のプロの縦スク作者のインタビュー記事なんかでも、「一人でしか制作できないなら、一ヶ月で一話くらいしか描けない」と仰られていたのを見かけたような。

実際描いてみた感じからしても、「ですよね」と思いました。

描くのが速い人なら、また違うのかもしれません。

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