「社会人で忙しいけど、絵の勉強をしたい」そんな人は多いですよね。
たしかに、絵が描ければイラストレーターになれるかもしれないですし、
自分の今あるスキルと組み合わることで新しい副業の道が開けるかもしれません。
ですが、絵の道はそこまで甘くない。
- 社会人から絵を始めるのってやっぱり無謀だろうか…
- 時間は限られているし、そんなに上達しないかも…
なんていう悩みや不安もあるのではないでしょうか。
でも安心してください。
社会人でも絵を勉強することは可能です。
社会人になってから絵の上達は可能な理由
社会人になってからでも、絵を勉強するのは可能。
その理由は、2つあります。
1つ目は、私は学校に行きつつ週6で働きながら絵を描き、
月1〜2作、漫画投稿しつづけて受賞&デビューをした経験があります。
そして2つ目は、
社会人だからこそ、
限られた時間内で
効率よく学ぶことができるからです。
ようは、子供の頃から絵を描いている人より、近道ができるからです。
「限られた時間で効率化?絵に近道なんてあるの?」
あります。
量を描けば必ず上手くなるわけではない
絵をあまり描いたことがない人は、
絵は、量をたくさん描けば描くほど上手くなる
と思ってはいないでしょうか?
これは間違ってはいませんが、100%正しいというわけではありません。
少しでも絵を描いたことがある人ならわかるかと思いますが、
顔だけ描く人はいつまでたっても顔しか描けませんし、資料を見ないで描く人はいつも同じようにデッサンの狂いがあります。(自分も耳が痛いです)
反対に言えば、絵はコツを掴むことで、短期的に上達するということです。
小学生並みの画力だった
私は美大出身のためデッサンはやっていましたが、いわゆる漫画やアニメのようなイラストに関しては小学生並み(以下)に下手でした。
pixivなどにアップされている、デジタルソフトでのカラーイラストも描いたことありませんでした。
そうはいっても、
デッサンをやっているならある程度は描けるんじゃないの?
…と思われるかもしれませんが、
当時pixivに絵を描いてアップしたところ「いいね」は一桁。
しかし、学校に行きつつ週6で働きながら絵を描き、
月1〜2作、漫画投稿しつづけました。
受賞&デビューをした経験があります。
ちなみにこれは数年単位の話ではなく、絵を描きはじめてからほんの最初の話(1年目~2年目)です。
それに、もちろん実家暮らしではなかったため、家事全般自分でやっていました。
私が絵の上達した方法
では私がそんな時間の中で絵を上達させた手順を書いていきたいと思います。
とはいっても、当時は効率的ではなく、かなり遠回りをしていました。
なので、「今、一から絵を勉強するならこうやって学ぶ」ということも交えて書いていきます。
①まずは絵を描く環境を整える
まず、一番はじめにやることは、絵を描く環境を整えることです。
つまり、絵を描くまでに至る手間を徹底的にはぶくことです。
環境を整えるのが重要な理由
環境を整えるのが重要な理由は2つあります。
- 継続力に直結する
- ムダな時間が削減できる
からです。
たとえば、
- デスクトップパソコンの前に行き、立ち上げる
- iPad proを手に取り立ち上げる
…では、どちらがより継続できると思いますか。
絶対に後者ですよね。
このように、環境を整えることは、ムダをなくし、継続できるかどうかにも繋がります。
当時の私はiPad Proはまだなかったので、デスクトップパソコンで絵を描いていましたが。
②絵を描く道具をそろえる
2つ目は、絵を描くのために必要な道具をそろえることです。
とりあえず「紙とペンさえあればいい」という人はとくに用意するものはありませんが、
デジタルイラストやその他の特殊な絵を描きたい場合(水彩画、油絵など)は、必要な道具をそろえましょう。
▽パソコンやタブレット等で絵を描きたい人は、こちらに必要な道具をまとめました。
③情報収集
次は、情報収集です。
現代では、ネット上でたくさんのメイキングや資料が無料で落ちています。
しかしそれらは、
- 自分個人のメモのために殴り描きされたもの
- 初心者のころの気持ちを忘れているくらいに、絵を描きなれている人
が、作っているため
絵についての説明自体がないもの、
説明はしているものの、大事なポイントが飛ばされているものが多くあります。
これでは、ある程度描き慣れていて、自分の絵のどこがダメなのかを十分にわかっている人なら学ぶことができるのですが、初心者にはかなり難易度が高いです。
私もネット上に無料で落ちている情報は、無料といえどもクオリティが高いものばかりだと思っています。
ですが、本当に意欲がある人・短い時間で効率よく学びたいなら、絶対にお金を払って得るのが一番早いです。
たとえば
- オンライン講座で学ぶ
- 参考書を買う
- 絵の学校に行く
…など。
ここからは、一番安くて手軽な②の専門書を購入して学ぶ方法を書いていきます。
ですが、一つ問題がありまして。
独学は挫折しやすいんですよね。
最近は自宅で学べる「絵のオンライン講座」が充実してきているので、個人的には「オンライン講座」の方をおすすめしています。
数年前にとあるオンライン講座に入会したとき「う~ん…」って思ったので、他人に勧めていなかったんですよね。
でも最近は「こんなにわかりやすく学べるのか」というオンライン講座がちょくちょく出てきていますし、なによりも参考書で学ぶより挫折しづらいのでおすすめです。
▼くわしくは「初心者におすすめな絵の学び方はオンライン講座」という記事を読んでみてください。
絵の参考書に関しては、読むか読まないかは別にしても、少なくとも1~2冊は手元に置いておくことをおすすめします。わからないときに「辞書」的なカタチで活用できるので。
④初心者は模写
とりあえず参考書が手元に届いたら、模写からスタートです。
とはいっても、本を全ページ完全模写…なんて猛勉強をする必要はありません。
- 自分が今一番描きたいと思っているもの
- 描こうとしているもの
の描き方を学ぶだけでOKです。
ちょっとわかりづらいかと思うので、数学に例えてみると、
数学の勉強をするとき、教科書に載っている公式を丸暗記してから問題にとりかかる…なんて学び方をする人は少ないと思います。
一般的には、公式を1個〜2個覚えて、とりあえず問題を解いてみる。
こうして覚えていきますよね。
絵も同様です。
わからないところだけを調べて、とりあえず描いてみる。
たとえば女の子の全身を描きたいなら、人体の描き方の参考書の最初の5ページ。
あるいは、多くても10ページくらいまでを頭に入れれば描くことができます。
とりあえず「顔だけ描きたい」という人なら、もっと少ないページ数でしょう。
このように、
- 今描きたいものだけを調べる・模写する
- 応用してすぐに描いてみる
を繰り返すことで、絵を描くことに慣れてきます。
そうして、
- 顔だけ描けた
- 全身描けた
- 服や髪の毛
- 物、背景
…など、いろんなものを描けるように応用していきます。
地道な作業…
⑤とりあえず一作描く
ある程度、絵を描くのに慣れてきたら、アウトプットです。
自分はわりと早い段階で、とりあえず一作描いてみました。
ここでいう一作とは、イラストを描きたい人ならイラスト。
漫画を描きたい人なら漫画。
アニメ動画を作りたい人なら、アニメです。
「とりあえず一作? そんなの無理無理。まだ絵もぜんぜん下手なのに…」
と思うかもしれません。
しかし、ただ模写を繰り返しているだけだと、過剰インプットになって頭でっかちになってしまいますし、いつまでも落書きのままです。
筋トレばかりしていても競技をしないことには意味がないのと同じかもしれません。
それに、小説だろうが漫画だろうが、画力がどうのこうのより、一作品仕上げることが何より重要だという話はよくプロの間で出ますよね。
なので、小学生並みに下手でいい。
いや、3歳児並みの画力でもいいので、一作品を仕上げてしまいます。
ちなみに私は小学生並みに絵が下手なころ、40ページの漫画を描き上げました。
もちろん投稿できるクオリティのものではないです。
ネームも描いてない、原稿用紙の使い方もなっていない、ジャンルも不明という、とにかく酷いものでした。
しかし、こうして一作品仕上げることで、
落書きや模写をしているだけでは学べない多くのことを学ぶことができたと思っています。
だまされたと思って、とりあえずなにか一作ちゃんとしたものを描いてみるのをおすすめします。
私はタンスの奥に仕舞い込むような作品でしたが、勇気ある方ならSNSや投稿サイトなどにアップしてみるのもいいかもしれません。
⑥足りないとろこは模写
さきほど、「一作品を描くことで多くを学ぶことができる」と書きました。
その一つは、自分の足りていない部分がわかることです。
たとえば、
「耳を描くのが下手だな」とか、
「この角度やこのアングルで描くのが下手だな」
とか。
そこでもう一度、参考書に戻って学び直してみましょう。
何度も書きますが、投稿したりネットにアップする・しないに限らず
一作品仕上げることはとても大事です。
情報マニアにならず、下手でもいいので一作品仕上げてみてください。
どのくらいで上手くなるのか?
ではここで、
「絵を学ぶ手順はわかった。
じゃあ、どのくらい描き続ければ上手くなるの?」
という疑問があるかと思います。
正直、これにはかなり個人差があるのでなんとも言えません。
簡単なイラストなら、それこそ1ヶ月程度でもなんとかなるかと思います。
ただpixivにあるようなカラーイラストであれば、3年〜5年くらいでしょうか。
人体デッサンを覚えて、線画の描き方を覚えて、デジタルソフトでの塗り方を覚えて…となるので大変なのもありますが、
ようは必要性です。
「今、必要かどうか」で成長の速度が違う
たとえば英語。
今、まったく英語ができないとしても、
来月、アメリカ会社で働かねばならないことになったら、その人は誰よりも素早く英語を習得するでしょう。
絵もそれと同じで、上手くなる必要性があるときはすぐに上達しますし、なければいつまでも下手なままなんです。
現に私は、ずっと(デジタルでの)カラーの色塗りができませんでした。4年くらいです。
イラストレーターの友人に教えてもらっても、ちんぷんかんぷんでした。
でも、半ば強制的にカラーイラストを描くようになってから、すぐに上達したのです。
もちろん参考書やYouTube動画などを使いながらの完全独学。
ようは、当時私はモノクロで漫画を描いていたため、カラーを習得する必要がまったくなかったから、塗れなかっただけだったんですよね。
なので、【どれくらいの期間描けば上手くなるか】は、
あなたにとって絵が上手くなる必要が、どれくらいあるかどうかに大きくかかわります。
とくに今は、情報だけならあちこちに揃っていますので、後はやるかどうかだと思います。
みんながオリンピック選手になれないように、その後どれだけ成長できるかは、その人の素質や才能みたいなものもかかわってくるとは思いますが……。
まあ私はダラダラ描いている人間なので、そんな大きなことを言える立場でもないんですけどね。苦笑
どうやって時間を捻出するか
次は
「社会人だからこそ、どうやって時間捻出すればいいのか」
という疑問。
それはやはり
環境づくりと習慣化です。
最初にも書きましたが、タブレットPCで絵を描くのとデスクトップPCでは、本当に時間効率が違います。
タブレットPCで絵を描くまでの手間を省き、時間を短縮。
そして、「毎日同じこの時間なら絵を描ける」という時間を確実にとり、
10分でもいいから描くこと。
たとえば朝一だったり、夜の寝る前だったり。
こうすることで、なんとか時間をとることができます。
あと、これは私の場合ですが、「上司や先輩の前に出勤しなきゃ」とか「先輩が帰るまで帰れない」とか気を遣いませんでした。
毎回ギリギリなので、「重役出勤」とか嫌味を言われてましたね。
できれば毎日描くこと
素早く上達したい人もそうでない人も、
絵を学びたいのなら、できれば毎日描くことをオススメします。
なぜなら、絵は何日も描かないと下手になるからです。
5年間ほとんど毎日描いている私でも、1日描かない日があると線がとりづらくなりますし
1ヶ月描かないと、感覚を取り戻すのに1週間〜2週間かかります。
とはいえ
絵を描くのを趣味の範囲で楽しみたいという人も多くいるかと思うので、あんまり念押しするのはどうかなと思います。
それに、スランプ時期や、停滞期にはちょっと時間を置いたほうが上達します。
ただ、さすがに1ヶ月とか描かないのはNG。
とくに壁にぶつかっていないのであれば、毎日描くことをおすすめします。